薪ストーブの設置をリフォームで検討している方へ、この記事ではその基本情報から設置時の注意点、費用、メリット・デメリットまで詳しく解説します。薪ストーブの魅力は多いものの、設置後に後悔しないためには事前の情報収集と準備が欠かせません。この記事を読むことで、薪ストーブ設置に関する知識を深め、最適な選択ができるようサポートします。

この記事でわかること:

  • リフォームで薪ストーブを設置する人の割合
  • 設置後に後悔した理由5選
  • 薪ストーブの後付けにかかる費用とその内訳
  • 薪の保管スペースの設置例3選
  • 光熱費削減にならない理由と薪の集め方
  • 薪ストーブの理想的な設置場所
  • 薪ストーブを後付けするために必要なリフォーム内容
  • 煙突なし・工事なしで薪ストーブは設置可能か
  • 薪ストーブに利用できる補助金の有無

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薪ストーブ×リフォーム 後悔したこととは? について

リフォームで薪ストーブをつける人の割合は多い?

リフォーム時に薪ストーブを設置する人の割合は、年々増加傾向にあります。特に自然派ライフスタイルを好む層やエコ志向の高まりから、再生可能エネルギーを活用できる暖房設備として注目されています。具体的な統計では、日本国内のリフォーム案件の中で薪ストーブを設置する割合は全体の約5~10%と言われていますが、地域性や住宅のタイプによっても異なります。

地方の戸建て住宅では、新築時の設置よりも、築年数が経った住宅のリフォームを機に導入するケースが多いです。設置の理由としては、「暖かみのある空間を作りたい」「災害時の備え」「コスト削減」などがあります。

また、薪ストーブ専門店やリフォーム業者への相談件数も増加しており、設置後の満足度が高いことから口コミやSNSで広がり、人気を後押ししています。このように、リフォーム時の薪ストーブ設置は「生活の質」を向上させる選択肢として、一定のニーズを獲得していると言えます。

リフォームで薪ストーブを設置した時に後悔した理由5選

薪ストーブは憧れの暖房設備ですが、設置後に以下のような後悔を抱える方もいます。

  1. 初期費用が高い
    薪ストーブ本体、煙突、工事費などを合わせると、設置費用が予想以上にかかることがあります。多くの場合、総額で70万~180万円が必要となり、コストの高さに驚く人も少なくありません。
  2. 意外と光熱費の削減に繋がらない
    薪の購入費用や運搬コストがかかるため、結果的にガスや電気暖房と比べて光熱費が大幅に削減されるとは限りません。
  3. 薪の保管スペースが必要
    薪は適切に乾燥させる必要があり、広い屋外スペースや収納場所を確保しなければなりません。都市部の住宅ではこれが難しい場合があります。
  4. 設置場所の制限がある
    薪ストーブは煙突が必要なため、設置可能な場所が限られます。また、周囲の耐火対策も必要で、レイアウト変更に制約が生じます。
  5. メンテナンスが大変
    煙突掃除や灰の処理など、日常的な手間がかかります。これらを怠ると安全面にも影響を及ぼすため、定期的な管理が必須です。

設置後の後悔を防ぐためには、これらの課題を理解し、事前に十分な準備を行うことが大切

薪ストーブの後付けにかかる費用とその内訳

薪ストーブをリフォームで後付けする際には、さまざまな費用がかかります。以下は一般的な内訳です。

  1. 薪ストーブ本体
    薪ストーブ本体の価格は機種やデザインによって異なりますが、10万円台のエントリーモデルから60万円以上の高性能モデルまで幅広い選択肢があります。耐久性や暖房能力を考えると、中価格帯の製品が選ばれることが多いです。
  2. 煙突部材
    煙突は薪ストーブ設置に不可欠なパーツで、費用は30万~50万円が目安です。二重煙突や断熱仕様の煙突を選ぶことで安全性が高まりますが、その分コストも上がります。
  3. 設置工事費用
    専門業者による設置工事が必要で、費用は10万~50万円程度です。煙突の取り付けや防火対策、屋根の貫通工事など、住宅の構造によって価格は変動します。
  4. その他の費用
    耐火床や壁材の施工、煙突掃除用の器具、必要に応じて暖房効率を高めるオプションパーツなどが追加費用として発生することがあります。

総合的に見て、薪ストーブの後付けにかかる費用は70万~180万円が一般的な相場です。リフォームの一環として計画する場合は、事前に見積もりを取り、予算をしっかり確認することが重要です。

薪の保管スペースの設置例3選

薪ストーブを導入する際、薪の保管スペースは重要な要素です。以下に、実用的でデザイン性にも優れた薪の保管場所の設置例を3つご紹介します。

薪の保管場所と玄関前の目隠しの塀を併用

和歌山市内の住宅兼スタジオで、玄関前の目隠し塀と薪の保管場所を兼ねた薪棚が設置されました。スチール製のフレームにパンチングメタルと足場板を組み合わせ、屋根にはトタンを使用したインダストリアルなデザインが特徴です。薪の断面が外観に変化をもたらし、道行く人にも四季を感じさせる薪塀として機能しています。 

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ベランダ用コンパクト薪ラック

都市部の限られたスペースでも薪を保管できるよう、ベランダに設置可能なコンパクト薪ラックがあります。例えば、折りたたみ式の薪ラックは、使用しないときはコンパクトに収納でき、必要に応じて簡単に組み立てられます。また、薪キャリーとしても使用可能な製品もあり、キャンプやアウトドアでの利用にも適しています。 

屋外薪棚のDIY

広い庭や敷地がある場合、自作の屋外薪棚を設置することで、大量の薪を効率的に保管できます。2×4材を使用したシンプルな薪ラックは、比較的簡単に作成可能で、コストも抑えられます。DIYで作成することで、サイズやデザインを自由にカスタマイズでき、庭の景観に合わせた薪棚を設置することができます。 

これらの設置例を参考に、薪の保管スペースを工夫してみてはいかがでしょうか。

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光熱費の削減にならないのはなぜ?薪の集め方は?

薪ストーブは「燃料費が安い」と言われることがありますが、実際には光熱費の削減に繋がらないケースもあります。その理由を見てみましょう。

光熱費削減にならない理由

  1. 薪の購入費用
    薪を自分で調達できない場合、業者から購入する必要があります。1束500~1,000円程度の価格で販売されるため、1シーズンで数万円のコストが発生します。
  2. 運搬・保管コスト
    薪を運ぶための車両や保管場所を確保するための費用が追加でかかります。特に都市部では保管スペースを確保するのが難しいため、これがコスト増の原因になります。
  3. 暖房効率の違い
    薪ストーブは家全体を暖めるのではなく、設置した部屋を中心に暖房するため、他の部屋に補助的な暖房器具が必要になる場合があります。

薪の集め方

  1. 自伐
    森林の間伐材や倒木を自分で伐採する方法です。自治体の許可が必要な場合がありますが、コストを抑えることができます。
  2. 購入
    薪販売業者やホームセンターから購入する方法です。品質が安定しているため、初心者にはおすすめです。
  3. 譲り受け
    地域の森林組合や知人から間伐材などを譲り受ける方法もあります。無料で手に入ることもありますが、運搬や乾燥の手間がかかります。

薪ストーブを導入する際は、これらの点を踏まえて薪の確保計画を立てることが重要です。光熱費削減の期待が大きすぎると後悔する可能性もあるため、リアルなコスト感覚で準備を進めましょう。

薪ストーブの理想的な設置場所は?

薪ストーブを効果的かつ安全に使用するためには、設置場所の選定が重要です。以下のポイントを考慮すると理想的な設置が可能です。

1. 家の中心部

薪ストーブは放射熱で暖房するため、家全体に熱を行き渡らせるには、リビングやダイニングなど、家の中心部に設置するのが最適です

2. 煙突の設置が容易な場所

煙突は直線的に屋根から外に出すことで排煙効率が高まります。家の構造上、煙突を無理なく取り付けられる場所を選ぶことが必要です。

3. 防火対策が可能なスペース

薪ストーブの周囲には耐火性の床や壁材を施工する必要があります。可燃物から適切な距離を確保できるスペースが求められます。

4. 換気が確保できる場所

薪ストーブは燃焼時に酸素を消費するため、外気を取り入れる給気口を設置可能な場所が理想です。

これらを考慮し、専門業者と相談して最適な設置場所を決定しましょう。

薪ストーブを後付けするため必要なリフォームは?

薪ストーブを後付けする際には、安全性や効率性を確保するためのリフォームが必要です。以下に主なリフォーム内容を解説します。

1. 煙突の設置工事

薪ストーブには必ず煙突が必要です。煙突は直線で屋根から外に出すのが理想ですが、間取りによっては曲がり煙突や壁貫通型になる場合もあります。煙突は断熱仕様にする必要があり、屋根や壁への防火対策も含めて、設置には専門的な工事が求められます。

2. 耐火床や耐火壁の施工

薪ストーブを設置する床面や壁面には、耐火材の施工が必要です。レンガ、タイル、耐熱パネルなどを使用し、ストーブからの熱や飛び散る火の粉から家を守ります。これにより安全性が大幅に向上します。

3. 換気システムの導入

薪ストーブは室内の酸素を消費するため、適切な換気が必要です。特に気密性の高い住宅では、外気を取り込む専用の給気口を設置することが推奨されます。

4. 電気・ガス設備の見直し(場合に応じて)

薪ストーブをメイン暖房とする場合、既存の暖房設備とのバランスを見直すことがあります。古い設備を撤去するか、補助的に活用するかを考慮する必要があります。

5. 薪保管スペースの確保

家の外や庭に薪を保管するためのスペースを作ることも重要です。これもリフォーム計画に含めるべきポイントです。

これらのリフォームは薪ストーブの性能を最大限に引き出し、安全で快適な利用を実現するために不可欠です。専門業者に相談し、最適なプランを立てることをお勧めします。

煙突なし、工事なしで薪ストーブはつけられる?

薪ストーブの設置には、通常、煙突や工事が必要ですが、「煙突なし」「工事なし」で薪ストーブを設置することは基本的には推奨されていません。煙突は、燃焼時に発生する煙や有害な一酸化炭素を屋外に排出するための重要な設備であり、安全に使用するために不可欠です。

煙突がない場合のリスク

  • 一酸化炭素中毒
    煙が室内に滞留することで、一酸化炭素中毒の危険があります。特に気密性の高い住宅では致命的なリスクを伴います。
  • 火災のリスク
    燃焼による熱や火の粉が適切に処理されないため、火災の原因となる可能性があります。

煙突や工事が不要な代替案

もし煙突工事が難しい場合、以下のような代替案を検討できます:

  • バイオエタノール暖炉
    燃料としてバイオエタノールを使用する暖炉は煙が出ず、煙突が不要です。工事不要で設置可能なため、マンションなどでも利用できます。
  • 電気式薪ストーブ風ヒーター
    薪ストーブのデザインを模した電気式ヒーターで、安全性が高く、手軽に設置可能です。

工事を伴う設置が推奨される理由

薪ストーブ本来の暖房性能や魅力を最大限に活かすには、正しい工事と煙突設置が必要です。工事や煙突設置をしない簡易的な方法を選ぶ場合は、代替暖房機器を検討することをおすすめします。

薪ストーブで使える補助金はある?

薪ストーブの導入に際し、自治体によっては補助金や助成金を提供している場合があります。これらの制度は、地域の森林資源の有効活用や再生可能エネルギーの推進を目的としています。

補助金の例

  • 丹波篠山市(兵庫県): 市内の住宅や事業所に薪ストーブを設置する場合、ストーブ本体の購入費用の1/2(上限15万円)を補助しています。 田篠市ポータルサイト
  • 福井市(福井県): 市内の住宅等に薪ストーブを設置する際、購入費および設置費用の1/3(上限10万円)を補助しています。 福井市公式サイト
  • 奈義町(岡山県): 町内の住宅や事業所に薪ストーブを設置する場合、購入価格の1/4以内(上限10万円)を補助しています。 なぎ町公式ホームページ
  • みなかみ町(群馬県): 町内に住所を有する者が薪ストーブを購入する際、購入経費の1/2以内(上限20万円)を補助しています。 みなかみ町公式サイト

申請のポイント

  • 事前確認: 補助金の申請は、ストーブ購入前や設置前に行う必要がある場合が多いため、事前に自治体へ確認しましょう。
  • 申請手続き: 申請には見積書や設置計画書などの書類が必要です。各自治体の指定する手続きを確認し、必要書類を揃えましょう。
  • 予算枠: 補助金には予算枠があり、先着順で受付が終了することがあります。早めの申請を心掛けましょう。

補助金制度は自治体ごとに異なり、年度によって内容が変更されることもあります。最新の情報は、お住まいの自治体の公式ウェブサイトや担当窓口でご確認ください。

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薪ストーブ×リフォーム 後悔したこととは? まとめ

まとめ

薪ストーブの設置は、暖かさやデザイン性、自然派ライフスタイルの実現という魅力がある一方で、コストや設置条件、メンテナンスの手間といった課題も伴います。本記事では、薪ストーブ設置時の費用や後悔しやすいポイント、薪の保管方法、さらに補助金制度について詳しく解説しました。これらの情報を基に、導入前にしっかりと計画を立てることで、満足度の高い薪ストーブ生活を送ることができるでしょう。

リフォーム時に薪ストーブを導入することで、暖かく快適な空間を手に入れるだけでなく、エコで持続可能な生活を実現することも可能です。また、災害時の備えとしても心強い存在です。地域の補助金制度を活用すれば、初期費用の負担を軽減することもできます。

薪ストーブを迷っているなら、『今がチャンス!』です。専門業者や自治体の補助金情報をチェックし、理想の薪ストーブ生活をスタートさせましょう。リフォームの一環として薪ストーブを検討することで、暮らしの質をさらに向上させる一歩を踏み出してみてください。